睦言



「・・・心此処に在らず、ですね」
「え?」
「やめときましょうか。今日は。」
身体の重みがスッと消える。

寂しい。

そう思うのは、不安になっている所為だろうか。
彼は隣に居るというのに。

「私、何か至らないことでもした?」
いいえ、と彼は微笑む。

「100%、僕を欲して欲しいだけです。」
一瞬にして、顔が熱くなる。
彼の台詞に照れた所為も有るが、図星をつかれた所為も・・・あった。
「・・・ごめんなさい。」
「こちらこそ、すみません。
なんとなく判っていたのですが・・・男の事情で突破しちゃおうかな、なんて考えたものですから。」
だったら、余計に謝るのは此方だ。
そこまで欲してくれてるのに、なんて贅沢な。

「まぁ、お互いそんな日もありますよ。」
優しい笑顔で、私の髪にゆっくり指を滑らせる。

-----あ。

「・・・どうしたんですか?」
驚いた彼の顔。
滅多に見られないって皆言うけど、私はこんな感じでお目にかかれる機会には恵まれる。
気を抜いてくれてる証拠だと、勝手に思ったりして。

まぁ・・・いきなり上に乗っかられたら、驚くのは当然だろうけど。

「スイッチ入っちゃった。」
「え。」
「100%・・・ん〜、それ以上。全部、欲しい。」
「・・・欲張りですね。」
「欲張って欲しいんでしょう?」

瞬間、視界が回転して、彼の背景が天井へと変わる。
「・・・覚悟してくださいね。」
怪しく揺らめく翡翠の瞳。

欲しいのは身体だけじゃなくて。
想いも、言葉も、視線も。
全てが私に集中して欲しくて。

だけど。
彼もそうなんだと判ったその瞬間満たされた私は、
案外睦言が一番のイグニッションなのかもしれない。





最中に不安になったり、ほかのこと考えたり、なんとなくその気なくなったり。ありません?(笑)
だからといって、途中でやめてくれるヒトは余り居ないですね。
八戒さんは・・・真っ最中でもちゃんと相手を見てくれてそうな気がしたので。こんなお話(笑)
私にしては珍しくエロ風味。・・・難しいですね。
つか、ヒロイン(?)さん、言葉責めが好きって告白?(爆笑)